英語の中の「時制の一致を受けない表現」


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英語は「時制」を厳密に扱い、文中で揃えますが、時制変化の影響を受けず常に特定の時制で用いられる表現もあります。

時制の一致とは

時制の一致とは同一文中において主節の時制と従属節の時制が対応なければいけないという規則です。つまり主節が過去形の場合は、従属節も過去形にするといったように合わせます。

…and for a moment I thought I loved her.
ぼくは一瞬、彼女をいとおしく思った。 – F. Scott Fitzgerald『グレイト・ギャツビー』

時制の一致の原則により、主節のthoughtに合わせてloveが過去形のlovedになっています。

日本語訳は英文のような時制の一致が起きていません。もし時制を揃えるとすれば、「彼女をいとおしかった、と思った」のような表現になるはずですが、そうは述べられません。

また、従属節の内容が主節の内容(過去のできごと)よりも以前に起こった場合は従属節の時制を大過去で表現します。

He said he had seen his doppelganger and died after three days.
彼は自分の生霊を見たと言っていたが、3日後に死んだ。 – Weblio英語基本例文集

時制の一致の規則から影響を受けない表現パターン

このように、原則として英語の文は時制の一致を受けます。しかし、英語には例外的に時制の一致の規則を無視する表現がいくつか存在します。それが「不変の真理」、「ことわざ」、「歴史的事実」、そして「現在まで続いている習慣・事実」について表現するときです。

「不変の真理」

不変の真理、例えば「太陽は東から昇る」や、「地球は丸い」のようなことは常に現在形で表現します。ですから、たとえ不変の真理が従属節にある場合でも時制の一致は受けません。

The moon goes around the earth.
月は地球の周りをめぐる. – 研究社 新英和中辞典

We learned that the moon goes around the earth.
私たちは月が地球のまわりを回っていることを学んだ。 – Tanaka Corpus

月が地球の周りを回る不変の事実については主節に過去形の表れている文にあっても現在形のままです。

「ことわざ」

ことわざについても時制の一致を受けずに常に現在形で表れます。

Time is money.
時は金なり. – 研究社 新和英中辞典

My father used to say that time is money.
父は、時は金なり、とよく言っていた。 – Tanaka Corpus

ことわざは一般的な文というよりも、ひとまとまりのフレーズに近いので、時制が変化することはほとんど起こらず、現在形のまま表れることが多いです。

The early bird catches the worm.
朝起きは三文の徳. – 研究社 新和英中辞典

Actions speak louder than words.
行為は言葉よりも雄弁. – 研究社 新英和中辞典

Too many cooks spoil the broth.
船頭多くして舟山に上る. – 研究社 新和英中辞典

「歴史的事実」

「○○が~をした」や「○○はXXXX年に生まれた」のような歴史上の出来事は常に過去形で表れます。従属節にあった場合でも大過去にはしません。

We learned at school that Shakespeare was born in 1564.
私たちはシェイクスピアは1564年に生まれたということを学校で学んだ。 – Tanaka Corpus

We learned that Newton discovered the law of gravitation.
私たちはニュートンが万有引力の法則を発見したと習った。 – Tanaka Corpus

もし歴史的事実も時制の一致に従えば、“We learned at school that Shakespeare had been born in 1564.”のように従属節を大過去にするのが適当なはずですが、常に過去形で表現することが決まっています。

「現在まで続いている習慣・事実」

「毎週水曜日はラーメンを食べる」のような習慣や、「職業は学生である」のような事実は、それが現在に至っても続いている場合は時制の一致を受けません。これらは常に現在形で表現します。

She said that she gets up at six every morning.
彼女は毎朝6時に起きると言った。 – Tanaka Corpus

A museum curator said that it usually takes several children to lift it.
同館の学芸員は,その隕石を持ち上げるためには子どもだと通常数人がかりだと話した。 – 浜島書店 Catch a Wave

以上のように時制の一致を受けない例外はありますが、原則的には主節と従属節の時制を合わせるのが基本です。まずは時制の一致の原則を頭に入れて置き、そのあとで例外について心得るようにしましょう。

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