洋画の名ゼリフで英語学習「無限の彼方へ!」


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英語の勉強方法は教科書や参考書だけではありません。英語圏で制作された映画や音楽作品なども立派な教材として使えます。

特にディズニー映画は英語学習にうってつけの娯楽作品といえます。セリフに用いられる英語表現は平易で日常的な言い回しが多く、英語の発音も丁寧で聞き取りやすい、映像もセリフを補助してくれる傾向が強く、挿入歌は自分も歌うことで発音の練習台になってくれます。そして何度見ても飽きない面白さ。色々な意味で良質の教材です。

学習事例としての「 To infinity and beyond!」

To infinity and beyond!という一文をご存知でしょうか。訳語の「無限の彼方へ!」と聞けばピンと来る方は多いかもしれません。これは映画「トイストーリー」に登場するセリフです。発言者はスペースレンジャー(のおもちゃ)のバズ・ライトイヤー。

To infinity and beyond! は、映画の邦訳では「無限の彼方へ、さあ行こう!」というセリフが充てられています。文面どおりに直訳するなら「無限の彼方へ、そしてその先へ」といったところでしょう。

作中では、この「 To infinity and beyond!」というセリフが、冒頭とクライマックスで計2回発せられます。

ニュアンスを変えて繰り返されるセリフ

冒頭の部分

トイス・トーリーの物語は、子ども部屋の中の「おもちゃの世界」の話として進みます。バズ・ライトイヤーは最新のスペースレンジャー型おもちゃです。

トイ・ストーリーの舞台となる世界では、玩具の多くは自分自身をおもちゃと認識しています。登場時点バズはおもちゃ屋から来たばかりということもあって、まだ「自分がおもちゃである」という自覚がありません。そんな中で、バズは自分が本当のスペースレンジャーであることを証明するために机から飛ぼうとし、スペースレンジャーの決め台詞として「無限のかなたへ、さあ行くぞ!」と高らかに叫びます。

冒頭での「無限のかなたへ、さあ行くぞ」というセリフは、ただのおもちゃでしかないバズがホンモノのスペースレンジャーになりきってセリフを発するというシニカルな稽さを演出している表現といえます。

クライマックス部分

バズは紆余曲折を経て自分自身がおもちゃだと自覚するようになります。主人公ウッディとも和解し、固い絆で結ばれます。

そして終盤で大ピンチを迎えた局面、バズとウッディが協力して大きく飛ぶことを決意、その場面で今後はウッディが、「無限のかなたへ、さあ行くぞ!」と叫びます。

このときウッディが高らかに叫んだ「無限のかなたに、さあ行くぞ!」のセリフは、冒頭のバズのセリフとは違い、自分たちがおもちゃであることは十分に承知しているけれど、だからといって諦めるわけにはいかない、大人びた諦めの境地をかなぐり捨てて乗り越えなければならないという境地の表明といえるでしょう。

文章上の省略表現が活きている

英語表現としては、To infinity and beyond!の一文は主語および動詞が省略されていることに気づいておかなくてはなりません。この手の省略は日常の英語でもよく見られます。

省略された部分がどのような表現かは、一意に特定はなかなか難しいでしょう。むしろ、異なるシチュエーションで同じセリフを発するために省略表現が巧妙に活用されています。

冒頭の場面とクライマックスの場面では、動詞はどちらも go でよいかもしれませんが、主語は冒頭ではバズのみ=単数形でI、クライマックスの場面ではウッディと共に飛ぶため主語は一人称複数のWeと解釈するのが自然です。あるいは Let’s のような表現かもしれません。助動詞が挿入されているかもしれません。

省略部分にどのような英語表現が当てはまり得るかは、視聴者の想像力と英語力と解釈によって違ってくるでしょう。このセリフを味わうためだけでも作品を繰り返し見る価値はあると言えそうです。

セリフの背景に読み取られる物語の意義

トイ・ストーリーという映画は、小さい子どもにとっては主人公のおもちゃがイキイキと活躍するエンタテインメント作品でしょう。しかしながら決して、幼稚な子供だましというわけではありません。

  • 無知で無謀なままでは何も出来ない、現実と向き合おうぜ
  • 童心を忘れた大人になってはいけない、がむしゃらな子供心を忘れるな

こんなメッセージが作品全体を通して大人に訴えかけてきます。

そして、このメッセージが「 To infinity and beyond!」というセリフに集約されているのです。

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