「戦争」に関する名言で学ぶ英語「strategem(策謀)」


Satsuma-samurai-during-boshin-war-period

strategem /ˈstratəjəm/ は「策謀」や「策略」などと訳される単語です。「ストラタジャム」に近い発音です。

「strategem」は、字面も意味も類似する「strategy(戦略)」とは同語源です。しかし、「strategy」が戦いにおけるあらゆる作戦を包含する概念なのに対して、「strategem」は日本語の「策謀」に近い、「賢い作戦」という意味で用いられることが多い単語です。

「戦略」と訳される単語には「tactics」もありますが、軍事用語としては、「strategem」や「strategy」が大局的な観点で用いられるのに対して、「tactics」は個々の戦闘における兵の運用のような、実践的かつ小規模な戦略を指す単語です。軍事用語としての「tactics」は、「戦術」と訳されるのがより一般的です。

▼「strategem」を含む名言

It is bias to think that the art of war is just for killing people. It is not to kill people, it is to kill evil. It is a strategem to give life to many people by killing the evil of one person.

兵法は人をきるとばかりおもふは、ひがごと也。
人をきるにはあらず、悪をころす也。
一人の悪をころして、万人をいかすはかりごと也。

柳生宗矩「兵法家伝書」より
英訳はCleary T(1991)「The Japanese Art of War」より引用

柳生宗矩は江戸時代初期の剣豪です。徳川家光の剣術指南役を務め、「柳生新陰流」の江戸幕府における地位を確立した人物として知られています。家光から厚い信頼を受け、日本の歴史でただ一人、剣豪から大名にまで出世した人物でもあります。上の名言は柳生宗矩の代表的著作、「兵法家伝書」からの引用です。

上の名言では、「はかりごと(謀)」が「stratagem」と英訳されています。長い戦乱が終わり、太平の世となった江戸時代には、「人を斬る」という行為に意味や正当性を見い出すことが難しくなったのではないかと推測されますが、柳生宗矩は剣術を「悪」に対抗するための手段として捉え、意味を見い出していたことが分かります。

Photo by Felice Beato [Public domain], via Wikimedia Commons

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